肥ゆる晩秋

昨日の朝のことだ。いつものように出社する身支度をしておった。Yシャツを着て、スラックスを履いた。さらにベルトを身に憑ける。そこで異変に気憑いた。

このベルトはこんなにも短かったのか。

確か、胴を一周して腰の左ら辺も周り、殆ど後ろが終端であったはずなのに、丁度左辺りで終わっておるではないか。その差は凡そ10センチ。いきなりこんなにも肥えたのか。東京へ長期出張しておるときは、確かに1日おきにしゃぶしゃぶをたらふく喰っておったが、幾ら何でも肥えすぎだろう。

否、待てよ。

そういえば、腐敗は元来細身故、すっかり油断して長くヘルスメーターに乗っておらぬ。最後に乗ったのは夏くらいではなかろうか。それが8月くらいとすれば、既に3ヶ月近く経っておるのだから、胴回りが10センチくらい残念になるのも、充分に有り得るではないか。上記のことを瞬時に考えた直後、突如として寒気がした。ずっとメタボとは無縁で、体脂肪率も1割ちょっとしかなかったのに、

それも最早、過去の栄光になったのかもしれぬ。

思わず、ギャボっと吐いた。とはいえ、無駄な抵抗とばかり、今一度過去の記憶を手繰ってみたのである。考えること暫し。嗚呼、思い出した。東京へ逝く前に、あまりにベルトが長いから、10センチくらい切ったんだった。さらに確認のため、ヘルスメーターを引っ張り出して乗ってみたところ、夏と同じ体重だった。
なんだ、また勘違いだったのか。

腐敗は何かヤヴァイ脳の病気になっておるかもしれぬな、諸君（去り際の挨拶